★ヘスティア★ キズナストーリー、契約者まとめ14
<★5ヘスティア 火属性/攻撃型>
<黒炎のヘスティア>
<白炎のヘスティア/進化後>
<cv.田村睦心>
*夜道*
ヘスティア:もう夜?ひどい1日だったわ。
・・・ん?
何見てんのよ?悪魔。
こっち見ないでくれない?
<1日の終わりを告げる夜、いきなりヘスティアに
「こっち見んな」と言われた。
何かにつけてすぐ文句を言うヤツだな>
ヘスティア:あんたの辛気臭い顔を見てると、
こっちの気分まで暗くなるのよね。
ねえ、その顔、燃やしちゃっていい?
いっそ、のっぺらぼうになればいいのよ。
主人公 :そんなのダメに決まってるだろ!
むしろ、なんで燃やしていいと思ったんだよ?
ヘスティア:あら、悪魔には炎は似合うと思ったんだけどな。
ファイヤーって感じじゃない?
主人公 :ファイヤーって・・・一体どんな感じだよ・・・
ヘスティア:まあ、それはまたの機会にしとくわ。
どっちかっていうと、あの何とかって言う
サキュバスの方が嫌だし。
しょっぱなから年上オーラ半端ないんだもん・・・
<・・・そういえば、ヘスティアの契約者は、
実の姉にいじめられていた可哀相な子だったっけ。
多分、その影響なんだろうな>
ヘスティア:年上だからって、いいようにこき使っちゃってさ。
あの何とかってサキュバスも、
きっとあんたと同じよ。
主人公 :モナに八つ当たりするなよ。
あいつがお前に何かしたか?そんなことないだろ?
ヘスティア:・・・フンだ。嫌いって言ったら嫌いなの。
気に入らないことなら他にも色々あるのよ。
・・・フリージアだって、
ストーカーみたいなことするし。
主人公 :あ。
彼女をいつも観察しては、その一挙一投足を、
日誌に書き留めているチャイルドだ>
ヘスティア:いくら契約者同士が友達だからって、
なんで、あたいに付きまとうのよ・・・
気づかれないようにするならまだしも、
ちゃんと隠れてないし!
電柱の上・・・とか、普通隠れられないでしょ!
<多分そこは「電柱の後ろ」って言いたかったんだろうけど、恥ずかしいのか言い直さないようだから、気づかなかったふりをしよう>
ヘスティア:・・・何よ。ツッコめばいいじゃない。
その中途半端な優しさ、逆にイラッとするんだけど。
主人公 :優しくしても文句言われるし・・・
一体どうしろっていうんだよ・・・
ヘスティア:燃えてしまえ、この悪魔め。
主人公 :あれ、どこかで似たような事を言われた気が・・・
確か、レダだったかな・・・
ヘスティア:あたいの前で他のチャイルドのことを
考えるなんて、ほんっとムカつく悪魔ね!
主人公 :くそぅ・・・
何やっても文句言われるのか・・・!
ヘスティア:ふん・・・あんたもどうせ、
あたいをこき使いたいだけなんでしょ?
あたいの契約者の周りにいた奴らもそう。
全部あの子に押し付けて・・・
主人公 :いや、俺はそんなつもりはないんだけど・・・
ヘスティア:どうだか。
<確かにヘスティアの契約者は、
誰かの頼みを断れない性格だった。
そのせいで周りの雑用を、
全部ひとりで引き受けてしまっていたらしいけど・・・>
主人公 :はぁ・・・俺って信用ないのな。
ヘスティア:何、あたいに信用されたいの?
主人公 :そりゃ、これから一緒にやってくんだし。
信用なしじゃ厳しいだろ?
ヘスティア:あらそう。じゃあ、
「ヘスティア様、本日もご機嫌麗しく」
って言ってみなさいよ。どうせできないしょ?
主人公 :ヘスティア様、本日もご機嫌麗しく。
ヘスティア:・・・本当に言うの!?
<俺はありとあらゆるバイトを経験している。
この程度は屁でもない・・・というか、もしかして、
これで屈辱を与える気だったんだろうか>
ヘスティア:ふ、ふーん。言っちゃうんだ?
そ、それなら、もっとお世辞を言ってみなさいよ。
主人公 :うーん・・・
燃え盛る紅蓮の炎のような髪が魅力的ですね、
ヘスティアお嬢様。
ヘスティア:・・・!!な、な・・・!?
あ、あんたには、プライドってものがない・・・の?
<ふっ・・・モナの特訓ってのも、
たまには役に立つらしい>
主人公 :天空で輝く太陽も、ヘスティア様より
美しく輝くことはできないでしょう。
ヘスティア様こそ、
最も美しい炎であられるべき存在です。
ヘスティア:・・・!!
<ふと、ヘスティアの瞳が揺らいだ。
・・・これで、少しは打ち解けられるといいんだが>
ヘスティア:そ、そんな・・・
あ、あたいのことを・・・
そんな風に思ってくれてたんだ・・・
・・・う、嬉しいな・・・
主人公 :ん?ごめん。
声が小さくてよく聞こえなかった。
ヘスティア:う、ううん、何でもない。
気にしないで。
・・・太陽よりもあたいのほうが・・・
そっか、そうだったのね。
主人公 :・・・これで少しは、俺のこと信用できそうか?
ヘスティア:・・・!!ふ、ふんだ!
この程度で信用してもらおうなんて、
駄目に決まってるでしょ!まだまだなんだからっ!
<はぁ…少しは近づけたと思ったのは、
俺の勘違いだったか。先が思いやられるな、こりゃ>
ヘスティア:きょ、今日は…この辺にしておいてあげる。
そ、それと…明日もよろしくね、悪魔。
主人公 :あ、うん。
…もしかして、そんなに嫌ってる、ってわけじゃないのかな?
*街中*
主人公 :おっす、ヘスティア。
ヘスティア:…なんだ、悪魔か。
主人公 :何してんだ?
ヘスティア:散歩。
主人公 :そっか。
せっかっくだし、一緒に散歩しよっか。
ヘスティア:…別に良いけど…後ろは振り向かないで。
フリージア:…
<遥か遠くにフリージアがいる。
ふむ、今日も変わらぬ熱心さで、
ヘスティアの観察をしているようだ>
ヘスティア:振り向かないでってば。
<…正直言うと、
とても興味深い>
主人公 :あれ、フリージア…?
…なんか俺のこと、すっごい目で睨んでるような…
ヘスティア:ストーカーの怒りを買うなんて、さすが悪魔ね。
これまで楽しかったわ。
あんたのことは忘れないから。
主人公 :え、何!?
それじゃ、まるで俺が死ぬみたいじゃん。
ヘスティア:だってほら、マンガとかだと、
ストーカーに睨まれた脇役って、
大体悲惨な末路を辿るでしょ?
主人公 :ふ、フリージアはそんな子じゃないと思うけどな…
<でも、いつも手紙を持ち歩いているみたいだし、
もしかすると、そこに果たし状を添えて来るかもしれない…>
ヘスティア:…まあ、その時は…
仕方ないから、あたいが守ってあげる…
主人公 :えっ!?ごめん、今、ちゃんと聞こえなかった。
フリージアと一緒に俺を攻撃するって言ったの?
ヘスティア:…そうしてほしいなら、本当にそうするわよ?
主人公 :ご、ごめんなさい…
<ヘスティアが俺を守ってくれるなんて…
ついに俺のことを主として認めてくれたようだ>
ヘスティア:…あのさ、
あたいと初めて会った時のコト、覚えてる?
主人公 :ああ、勿論。確か、木のそばだったよな。
ヘスティア:うん…せっかくだから、そこに行ってみない?
あ、特に、深い意味はないわよ?
主人公 :じゃあ、のんびり歩いて行こうか。
天気もいいし、散歩するにはちょうどいいから。
ヘスティア:…うん。えっと、あの…あんた戦うの…大変よね?
どう見ても弱そうだし。
主人公 :まぁな…毎日が苦痛だよ…
ヘスティア:そう?そうよね?うん、そうでしょうね。
だから、仕方ないから…
あんたのために…少し頑張ってあげる。
主人公 :おお…ついに協力する気になったのか?
ヘスティア:…単なる気まぐれよ。
あんたが弱すぎるから、仕方なく協力してあげるの。
でも、心配しないで…あんたがどんなに弱くても、
あたいが守ってあげるから。
主人公 :…そっか。ありがとな。
その言葉だけでも嬉しいよ。
ヘスティア:フーンだ。
あんたが弱すぎるからって言ったでしょ。
…それに、あたいのこと褒めてくれたし。
あたいが特別に協力してあげるんだから、感謝しなさいよね…
いつまでも一緒に、いてあげるんだから。
<これから、ヘスティアがいる戦闘では、
余計な心配をしなくて良さそうだ>
ヘスティア:今日は楽しい1日になりそう。
明日も…よろしくね、悪魔。ふふっ。
*街中*
ヘスティア:ハーイ、悪魔!今日は何するの?
<…びっくりした。
まさか、あのヘスティアが、
こんなに明るく声をかけてくるなんて>
主人公 :あ、うん…
ちょっと買い物にでも行こうかと。
ヘスティア:そうなの?
じゃあ、あたいも一緒に行っていい?
<以前のヘスティアとは別人のようだ。
一体どんな心境の変化なのか…>
ヘスティア:どうかした?
主人公 :あ、ううん。
いいよ、一緒に行こう。
ヘスティア:あのさ、悪魔。
あの…例のサキュバスは、元気?
主人公 :モナのことか?
あいつなら、いつだって元気だよ。
ヘスティア:そっか。あ、あのさ…あんたが望むなら、
そのサキュバ…いや、モナ、とも…
仲良くできるように、頑張ってみるわ。
<…え、誰これ?本当にこれがヘスティアなのか?>
ヘスティア:何よ、その目は。
あたいのこと、冷たい女だと思ってたの?
主人公 :そ、そういうわけじゃないけど。
まあ、でもそうだよな、うん。
ヘスティア:あ、あのね、それよりもさ…
あたいたちが一緒にいる姿って…
他の人にはどう見えると思う?
主人公 :兄妹じゃないか?
ヘスティアは背が低いし。
ヘスティア:……
主人公 :おおう。
急にヘスティアさんの目つきが険しくなりましたよ?
ヘスティア:…まあ、いいけど。
そうだ、今度、花火大会に一緒に行かない?
主人公 :いいんじゃない。
モナも同じようなことを言ってたよ。
ヘスティア:……
主人公 :あのう、ヘスティアさん…?
またまた目が怖いんですけど…?
ヘスティア:いい…わ。ところで、悪魔はどんな女の子が好き?
料理の上手な子?知的な子?
それとも…
主人公 :んー…最近は、スタイルのいい子が…
って、どうしたんだよ、さっきから…
ヘスティア:…「最近は」ってことは…
そうじゃなくてもいいのね。
それで、悪魔は優しい子が好きなのよね?
主人公 :いや、俺はスタイルのいい…
ヘスティア:悪魔は優しい子が好きなのよね?
主人公 :いや、スタイ…すみません、優しい子が好きです!!
ヘスティア:でしょ!!
うん、それならよかった。
悪魔が優しい女の子が好きなんだったら、
あたいも優しくなれるように頑張ろうかなー。
ふふっ♪
主人公 :あ、は、はい…
ヘスティア:何よ、その顔は。
お前にできるのかって、思ってるの?
ならいいわ、後でギャフンって言わせてやるから。
主人公 :や、優しくなるんじゃなかったのか?
ヘスティア:悪魔にはわからないかしら?
力尽くで優しい人ですって言わせれば…
主人公 :それって脅迫だろ!?
ヘスティア:…冗談よ。
そんなこと、しないわ。
主人公 :いや、お前ならやりかねないと…いや、ごめん。
謝るからさ、そんな怖い目で見るなって…
ヘスティア:…とにかく、さっきのは冗談だから。
それよりも、悪魔。
ひとつお願いがあるんだけど、いい?
主人公 :えーっと…俺にできることなら…
ヘスティア:そんな無理なお願いじゃないわ。
あんたにできることなんて、
あんまりないってのは知ってるから。
主人公 :なんか複雑なんだけど…
ヘスティア:ふふっ。
すごく単純なことよ。ね、聞いてくれる?
主人公 :難しくないなら…どうぞ?
ヘスティア:うん…あのね、あんたがいつか魔王になったら…
そしたら、いつもあんたの傍にいてもいい?
主人公 :なんだ。そんなの、当たり前じゃん。
戦いに勝ったらそれでおしまいだなんて、
俺は思ってないよ。
ヘスティア:…そういう意味じゃないんだけど…
まあ、あんたらしいわね。バーカ。
主人公 :バカで悪かったな!?でもさ、ホントに俺は
そんな無責任な奴じゃないから。安心しろよ。
ヘスティア:…そっか。
じゃあ、いつか訪れるその日を楽しみにしてるわ。
今の約束…絶対忘れないでね。ふふっ♪